給湯室でお茶を入れ、お盆に乗せる。
お盆を持った私は、身にぐっと力を入れた。
事務所の机をゆっくり巡り希望者にお茶を配り終え、私は給湯室に急いで戻った。
お盆を棚に置き、深く息をついた。
そのとき。
「んぅ……!」
私は身をよじった。背中を壁に押しつけてぐっと力を入れた。
異物が、私の大事な部分で蠢いている
それは私が一番反応してしまう場所で身を震わして私を責め立てる。
下半身から沸き上がるその感覚は、私の身体全体を蝕むように広がってゆく。
快感……とはもはや思えない。おなかに力を入れ、手をぐっと握りしめる。
お願い、止まって……
私は祈った。
いつまでも給湯室に籠もっているわけにはいかない。
この小さな異物を外してしまえればいいのに。
しかしそれは、革製の貞操帯で私の腰にきつく食い込むよう固定されている。
バックルは小さな南京錠で止められ、私はその鍵を持っていない。
ただ耐えるしかないのだ。
私は、出来るだけ平静を装って、しずしずと自席に戻った。
私はバッグから携帯をとりだした。
かわいいパステル調の水色のボディーを気に入って買った普通の携帯。普通と違う箇所は一つ、コネクタに急速充電用パックのような黒い装置が取り付いていることだけ。
この電池が、切れてくれれば……
それは電子工作マニアの彼が作った装置だった。
メールの着信を感知して、電波を飛ばす装置だ。その信号は私の腰に取り付けられたコントローラーが受信する。コントローラーはローターに電気を送り、そしてローターは蠢き始める。もう一度信号を受信すれば、ローターへの電流が止まる。
「お願いです、もう許してください」
そうメールを書いて、送る。
返事がなかなか返ってこない。
ずっと携帯をいじっているわけにも行かない。
私は机の上の帳票の束に手をのばし、目の前に置く。赤ペンを手に取り、チェックを……
ダメだ、手が震えてしまう。
止まって……おねがい……
バッグの中で携帯が震えるのが聞こえた。
それと同時に、私を責め立てていたものが、その振動を止めた。
私は大きく息をついた。
今のうちに頼まれていたコピーをとらなきゃ。
私は急いで立ち上がり、書類をまとめてコピー機に向かった。
事務室を出用としたそのとき、リモコンが電波を受信した。
「ああっ」
私は思わず叫んでその場にしゃがみ込んでしまった。
「斉藤さん、大丈夫?」
同じ部の女子社員がそこにいた。私がまき散らした書類を拾ってくれていた。
「ご、ごめんなさい。ちょっとつまづいちゃって」
私は焦っていいわけをする。
「そう、気をつけてね」
気付くと、振動が治まっていた。
私は書類を受け取り、急いで自席に戻った。
もうダメ。何とかしなきゃ。
私は鞄から携帯をとりだした。
そして、携帯から私を苛む装置を見つめた。
これさえとってしまえば……
彼の言葉、絶対に取らないようにという約束が頭をよぎる。
ごめん……
私は引きちぎるようにそれを引き抜いた。
そして、長く息をついた。
これで一安心だ。ともかく早くコピーをとりに行かなきゃ。
書類を再び持ち、立ち上がろうとした、そのとき。
ロータが再び回転を始めた。私は書類を机に放り出して座り込んだ。
口を塞いで、机に突っ伏した。
なんで……?
私は携帯を持ち、なんとか立ち上がった。
「斉藤さん、顔色悪いね、大丈夫?」
隣に座っている課長が私の顔をのぞき込んだ。
「すいません、ちょっと休んできます」
「そう、無理しないで早退してもいいよ」
「いえ……」
私は頭を下げてから、事務所を逃げ出した。
誰も居ない休憩ルームに転がり込み、必死にメールを打つ。
「どうしよう、止まらなくなっちゃった」
返事がすぐ返ってきた。
「全然返事くれないじゃん。仕事忙しい?」
的外れな返事。
「じゃなくて、止まんないの」
「あー。発信器外したろ。キープアライブの信号出してるから、発信が止まると常時ONになるよ。バカだな」
そんな……
発信器……持ってきた。これを携帯に戻せば止まるはず。
私はポケットから取り出したものを見て愕然とした。さっき引き抜いた時の衝撃で、発信器のコネクタが外れてしまっている。
絶望感に包まれた心と裏腹に、快感が私の身体全体を支配し始めた。それは次第に膨れ上がって、一気に弾けた。
私は必死に口を押さえながら、痙攣する身体を押さえつける。
「どうしよう」
震える手で何とかメールをうち、送信する。
「知るか」
「ごめんなさい。助けてよ」
「約束を破った罰だと思え。電池がなくなるまで悶えてろ」
そんな……私はアドレス帳から彼の電話番号を選択して、受話器ボタンを押した。
呼び出し音が続く……出てくれないの?
いや、繋がった。
「仕事中なんだけどね」
「ごめんなさい、でも、これじゃあ困っちゃうよ」
「おまえが望んで始めたことだろ。固定ベルトに鍵かけたの誰よ?」
そう。これは私のオーダー通りの装置。私の妄想を、妄想通りに形にしてもらった。
貞操帯で固定するのも私のアイデアだった。
出勤前に鍵をかけたのも私。
軽い気持ちだった。
まさか、こんなことになるなんて……
「そんなこと言わないで、ねえ……んぅぅ」
「これから会議だから。切るよ」
「そんな、ねえ……んぅ……ああぁ」
私はこの日二度目の絶頂を迎えた。
「どうした」
「……いっ……ちゃった」
彼が電話の向こうで笑っている。笑い声が、私の体の芯を揺さぶる。
次の波が静かに押し寄せてくる。
私は、これからどうすればいいのだろう……

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果てしない快楽の洪水に、愛奴の身体と精神は翻弄され続けた。何度絶頂を迎えたろうか。愛奴の喘ぎもやがて弱々しくなっていた。
主人の手が止まる。
「どうした」
愛奴は荒い息をつくばかりで、主人の言葉にも応えない。
「答えなさい」
「……申し訳……ありません……もう……くたくた……です」
やっとの思いで声を絞り出す。
しかし、主人は労る様子など見せず、愛奴の首輪に繋がるリードを取り上げ、ぐいと引いた。
ん……っ
愛奴の首が締まる。
「来なさい、休んでいいとは言っていない」
主人は愛奴を叱り立て、リードを容赦なく引く。愛奴は力の入らな身体を引きずられるようにして主人のリードに従う。
主人は愛奴を部屋の奥に広がる暗闇へと引っ立てた。
突然リードのテンションが消えた。愛奴はその場にうずくまる。やがてマッチを擦る音が暗闇に響く。
暗闇に明かりがぽつりと灯る。やがて光は膨らんでゆき、主人の顔を赤く照らし出す。燭台に火が点った。
うずくまる愛奴の裸体も赤く染まる。
主人はキングサイズのベッドに真っ白なシーツを敷き、その上に座った。
「上がってきなさい」
愛奴は、よろよろとベッドに体を張い揚げた。
そこでまた力なくうずくまる愛奴の顎を、主人は摘み、引き上げる。
「おまえは寝るためにここに来たのか」
「いいえ……」
「主人に仕え、奉仕するためだろう」
「はい、ご主人様に悦んでいただくためです」
「ならば、おまえの主人がどうなっているかよく見なさい。何をなすべきか考えなさい」
愛奴は主人の顔を見上げる。愛しい顔がそこにある。愛奴は手をさしのべ、頬に触れる。
そして、主人の首筋、胸、腹と、ゆっくり触れていく。そして
ああ……
愛奴は主人の膨らんだ股間に触れる。
会えない間、いつも焦がれていたものが、そこにある。
愛奴は大切なものに触れるように、両手で触れ、ゆっくりとさする。
「奉仕なさい」
「はい、ご主人様」
愛奴は主人のベルトを緩め、ジッパーを下げ腰回りをくつろげ、そして下着をずらし、焦がれていたものを恭しく取り出した。
「ごしゅじんさまの……」
愛奴はペニスに忠誠のキスをし、頬擦りした。
そして、口に含んだ。
愛奴は、教えられたとおりに、ペニスを唇で包み、ゆっくりとしゃぶる。袋をさすり、更に奥のアナルへと指を這わせながら、ゆっくり、唾液を含みながらしごき、嘗め、吸う。
舌先で亀頭の輪郭を確かめながら、見上げると、心地よさげに口を微かに開け、ゆっくり息をついている。試しに甘く咬むとぐっと目をつむり、そして愛奴と目が合う。優しく弓なりに細む主人の目もと。
笑ってくださった……
愛奴は嬉しくなった。
ご主人様は悦んでくださっている……
主人の笑顔に疲れなど忘れてしまう。
愛奴は口を性器に変えて、懸命にペニスへ尽くした。
「出すぞ」
愛奴は亀頭を優しく包んで竿を激しくしごいた。主人の喘ぎ声が漏れ始める。快感を告げる息づかいはやがて絶頂を迎え、主人の体が痙攣する。主人のペニスから精液が放たれた。
愛奴の口の中に、どろりとした苦みが広がる。
ご主人様の味……
少しむせながら、愛奴は精液を飲み干す。
何度も痙攣しながら、射精が終わる。主人は力つきたようにベッドに横たわる。
愛奴は、精液と唾液で汚れた主人のペニスを、舌でゆっくりと清める。
「清め終わったか」
「はい」
「来なさい」
主人が腕を広げて愛奴を招く。愛奴は、そっと主人に寄り添うように横たわる。その身体を主人の腕が包む。
「よくできたぞ」
「ほんとですか」
「ああ。ご褒美をやろう、何がいいか」
主人が愛奴を見詰める。
「……キスを」
愛奴がねだる。
主人は愛奴の頭を撫でながら、そっと唇を重ねる。愛奴は柔らかな唇で応じ、侵入してきた舌を招き入れる。
蝋燭の光に照らされながら、二人は舌を絡ませ続ける……
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月の光だけが射しこむ廃ホテルの部屋。
木々のざわめく音のほかは、愛奴の喘ぐ声ばかり。
前後の淫らな穴にくわえ込んだ淫具からの信号は、愛奴の脳に伝わる。それは脳内の人として大切な部分を破壊し、性衝動だけを増幅する。脳が分泌するいやらしい物質は身体の隅までゆきわたる。口は涎と嬌声を、乳首とクリは勃起し、汗が流れ、胎内からは愛液が止めどなく流れる。
身動きを許されぬ身体は、縄の作る遊びの限界までのけぞり、くねる。
愛奴は狂った獣のように叫び踊る。
主人はそれを楽しげに眺める。
やがて、陰部からの淫らな刺激を告げる信号は飽和する。淫乱な本能が増幅した快感はやがて絶頂に達する。愛奴は口を限界まで開きながら、呻きともとれぬ声を絞り出し、身体は限界までのけぞる。
んはああぁぁ……い……
やがて、部屋を静寂が包む。
主人はグラスを置き、愛奴へと歩み寄る。
「なかなか佳い舞だった」
ぐったりとその身体をテーブルに投げ出す愛奴の髪を、愛おしむように撫でる。
「月の光に照らされると、いっそう妖艶だな」
そう言い、身体を優しく撫でる。逝った直後の敏感な身体が、主人の指先に忠実に反応する。
んんっ……
主人の指は首筋から乳首、肋、臍、そして恥骨をなぞりクレバスへと近づく。
陰毛の処理を義務づけられた愛奴の陰部は、全くの無毛。濡れそぼる赤黒い皺と赤い襞は隠すものもなく主人の視線に晒されている。
視線は羞恥を掻き立て、愛奴は身をくねらせた。かまわず、主人は両手で割れ目を左右に開く。
勃起したクリトリスがそこにあった。
主人はそこを優しく撫でる。
「まあまあ育っているな、吸引は欠かさずやっているか」
「……はい」
「もっといやらしく育てる。トノスの塗布も忘れないように」
「……は……っ……い」
愛奴はそれどころではなかった。逝ったばかりの身体、しかもクリへの直接刺激は拷問に近い。
「ごしゅじんさま、そこ……ちょっと……」
「ん?」
主人がクリを摘む。思い切り、強く。
愛奴は思わず悲鳴を上げる。言葉ではなく息だけが音をたてたような、みっともなく、いやらしい叫び方で。
「ははは、どうした」
主人は勃起した、大きめのクリを人差し指と親指の腹で押し、擦りあげる。
「育つよう手伝ってやっている。感謝しろ」
「……あ……ありが……うぅ」
「最初は包皮をむいてもどこにあるかわからん様だったのにな」
主人は笑っている。何で笑うの……愛奴はいたたまれなくなる。惨めな気分は、しかし刺激を再び脳で暴力的な快感に増幅する推進剤でしかなかった。
主人は執拗にクリを責める。愛奴はただ悶え続けるしかない。
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愛車でドライブするのが好きなんですが、行った先々で廃墟を見かけますよね。ドライブインとかパチやとか。ホテルの廃墟も時々見かけますね。
熱海なんかは見本市かという勢いで廃ホテルありますが、熱川にもあるし下田の道の駅の前にもあるし。神戸の山の中にあるホテルは有名ですよね、豪華な内装が残っているそうで。
そんな山の中の瀟洒な廃ホテルに迷い込むことが出来たら。そこで、愛奴を調教できたら。
月の光の射し込むロビー。ざわざわと風に木々がわめくのにつれ、床に落ちる陰が揺れ動く。
「わかっているね」
そう愛奴は主人に声をかけられて、はっとして顔を上げる。月の光に照らされた青い顔がじっと見つめている。
愛奴は、コクリと頷く。しかし、身体の震えがずっと止まらない。
「何をしている、はやくなさい」
叱るように言われ、はい、と応えたものの、理性と羞恥心が邪魔をする。こんなところでこんなことをしていいの……?
「はやくなさい」
びくり、と身体が震える。意を決し、カーディガンに手をかける。そしてはらりと脱ぎ捨てる。一枚一枚、ドキドキしながら。躊躇しながらスカートを脱ぐ。靴下を、片足ずつ、ゆっくりと。
「下着もだ」
「はいっ」
隠しながらブラをはずし、床に捨てる。パンツを、下げる。
夜の冷たい空気が身体全体に触れる。
主人しか隣にいないとは言え、今すぐこの場でしゃがみ込みたいほど、恥ずかしい。
主人が隣にいるとは言え、廃墟の中で頼りない姿を晒すのは、怖い。
「遅かったな」
「……申し訳ありません」
主人は愛奴の気持ちを無視するように、首輪を取り付け、鎖のリードを繋ぐ。
そして無言で歩き始める。
愛奴は主人に従い、蒼く光る廊下をゆっくりと進む。階段を登る。
「四つん這いになれ」
階段を登りきると、主人が言う。愛奴は廊下に四つに這う。
リードが引かれる。愛奴は犬のように這いながら、廊下を進む。
廊下が突き当たる。主人はそこにあるドアを引く。
そこはスイートルームだった。
破れた窓から吹き込む風が、破れたカーテンを揺らしている。ヨーロッパを思わせる調度品はあるものは倒れ、あるものは床に転げていたが、ソファやテーブルは綺麗な状態で残っていた。
主人は部屋の中に愛奴を導き、そしてその場にしゃがむよう命じた。
そして、愛奴を見下ろす。
「なぜ、すぐに脱がなかった」
「……あの……」
「わたしの時間を無駄にしたんだ」
「申し訳ありません」
「尻を出せ」
愛奴は再び四つになり、お尻を突き出す。
「お仕置きだ」
主人の平手が愛奴の尻に飛ぶ。
ひっ……
尻を打つ響きと共に、愛奴の悲鳴が漏れる。容赦なく、執拗に主人の手のひらが尻を打ち据える。
「申し訳ありません」
何度頭を下げただろう。やがて主人の手が止まった。
「反省したか」
「はい……ご主人様」
「わたしの手も、痛いんだ、わかるか」
「はい……」
「癒せ」
主人が手を差し出す。愛奴はその手を受け取り、舌を這わせる。
「指先が濡れているのがわかるか。何だと思う?」
「わかりません」
「知っているだろう、おまえ自身が垂れ流しているのだからな。おまえのだらしない穴から、だらだらと。今も溢れているだろう」
主人が笑う。愛奴は、それが何かを知った。顔が熱くなるのがはっきりわかる。
「答えろ」
「……愛液です」
「誰の、どこから溢れた、何だって?」
「わたしの、マンコから漏れた、愛液です」
「なぜそんなものが漏れてるんだ」
「わかりません……」
ふん、そう主人が笑う。
「まあ、いい。しかしマンコがビチャビチャになっているのは、好都合」
主人は持ってきた鞄から、ロープとリモコンバイブを取り出す。
「テーブルに乗れ」
愛奴はテーブルに乗る。主人は愛奴を手際よく、しかし身動きがとれぬほどギチギチと、M字に縛り上げる。
「これをくわえて貰うぞ」
そして、リモコンバイブを愛奴の胎内に容赦なく押し込む。ずぶぬれのマンコはそれを柔軟に飲み込んでゆく。
ぁああ……
愛奴はゆっくり沈み込んでいく太めのバイブに、身体を震わせる。
「後ろにも必要だな」
主人がアナルに触れる。
んは……あ
愛奴が指先の動きに併せて、身をのけぞらせる。
主人は愛奴のアナルをもみほぐした後、ゆっくりとバイブが挿入する。
「素敵な眺めだな」
テーブルの上で縛り上げられ、バイブを仕込まれた愛奴は、青い月の光に哀れな姿を晒す。主人は満足げに頷き、そして鞄からグラスとスプマンテを取り出して、ソファに座る。
「勝手にやらして貰うよ」
主人はコルクを抜き、グラスに注ぐ。そしてグラスを掲げる。
「佳い声で鳴いてくれ」
低い振動音が響く。バイブの中のモーターが回転を始めたのだ。
んぁぁぁぁぁ……
愛奴の胎内を二つの淫猥な玩具が揺さぶる。振動は愛奴の敏感な器官に激しく、甘すぎる刺激を与える。愛奴の身体はもがき、のたうち回ろうとするが、きつく縛り上げた縄が身体に食い込むばかりで、身動きするも能わぬ。
ただ口を大きく開き、舌を突きだして悶えの悲鳴を上げ続けるしか許されない。愛奴の身体は、身を責める玩具と解け合い、一つの淫具となったかのようにうち震える。
あああ……ああ
主人はソファにゆったり座り、愛奴のもがく姿を肴に、スプマンテのグラスを傾ける……
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 学校が終わったあと、私は彼との待ち合わせ場所に急いだ。
 明日のゼミの発表準備に手間取り、遅くなってしまったけれど、待ち合わせの時間も遅い時間だったから、少し急げば間に合うはずだった。
 待ち合わせ場所はいつものコーヒー店。息を切らせながら自動ドアをくぐり店内にはいると、彼が店の奥のテーブル席でコーヒーを飲んでいた。
 隣にいる女の人と話をしている。知り合いなのだろうか。
 ゆっくり近づくと、彼が私に気がついて手を挙げた。
「おう、遅かったじゃん」
「ごめんね……」
 彼と話していた人は立ち上がり、店の奥の方へと去っていった。私はその背中をちらりと横目で追った。彼はそんな私にかまわず
「学校忙しかった?」
 と話を継ぐ。
「あ、うん。ちょっと発表の準備が長引いちゃった」
「そうか、まあでも間に合ったからいいよ」
「間に合った?」
 彼がニヤリと笑った。
「この店、もう閉店だからな」
 そのとき、店のアルバイトとおぼしき女の子がひとり、カウンターから出て店の外に出たと思うと、いきなり店のシャッターを下ろした。
「え、え、なにこれ?」
「いったじゃん、閉店だって」
 店の中を見回すと、二、三人のアルバイトの女の子たちの他は、皆カップルのようだった。壁際のソファ席に座った二人は、抱き合ってディープキスを始めている。
 カウンターの奥にいたアルバイトの子たちが、カウンター前に出て横に並んだ。
 そして、可愛らしい制服に手をかけ、脱ぎ始めた。
 一枚ずつ、まるでストリップショーのように。
「なに、コレ」
「いいから一緒に見ようぜ、コレ」
 彼がソファ席の隣に手招きをする。私は招かれるままに横に座ると、彼は私の肩を抱き、首筋にキスをした。
 異常な光景を目の前にし、高ぶっていた私の胸が、彼のキスを受けさらに激しく脈打つ。
「や……ん」
「ちゃんと見てろよ、これからなんだから」
 服を脱ぎ終えた女の子たちが、姿勢を正し並んでいる。店の奥から、やはり裸で首輪とボールギャグを身につけ、トレーを捧げ持った女の子と、その首輪につながったリードを持つ、きっちりとスーツを着込んだ女性が現れた。さっき、彼と話していた女性だ。
 彼女は、裸の女の子たちの前に立ち、彼女らの顔を見回した。
 そして、従えてきた女の子のトレーから、ボールギャグを取り上げた。そして右端の女の子の唇にいきなり吸いついた。長いキスの後、ぼんやりと口を開いている女の子の口にボールギャグをかまし、首輪、そして腕を後ろに回させて手錠を取り付ける。
 スーツの女性はひとりづつ、ボールギャグと首輪、手錠を与えてゆく。
「あの子たちさ、新しいバイトなんだってさ」
 彼が私の胸をまさぐりながら言う。私は彼の指先の動きに併せて身体をくねらせながらも、彼女たちの姿から目を離せずにいた。
「え……バイト……なんの……?」
「この店のだよ、きまってんじゃん」
 ここは普通のコーヒーチェーン店だったはずだ。それが、バイトの娘たちを丸裸にし、拘束具を与える。明らかに異常だ。私は、本能的に危険を感じながらもなお、その光景に釘付けとなり、胸を張り裂けそうなほど高鳴らせていた。呼吸さえ苦しい。
 スーツの女性が、トレイから白いプラスチックのプレートを取り上げる。名前が掘ってあるようだ。それは多分、後ろに安全ピンのある、胸に取り付けるバッジ。
 スーツの女性が名札のピンを外した。それに呼応するように、トレイを持っていた女性がそれを床に置き、並んだ少女たちのひとりを後ろから抱き抱える。
「よく、見てな」
 彼が言う。言われなくても目を離すことが出来ない。
 スーツの女性は、バッジのピンの針先を、少女の乳首の脇に押し当てた。
 んんぅぅぅぅ……!!
 少女がボールギャグの奥からくぐもった悲鳴を上げる。
「……あ……あれ……」
 スーツの女性と、その助手が離れる。少女は、涙を流しながら立っていた。その胸には、名札が取り付けられている。彼女は裸なのに……
あれ、なに……」
「バイトなんだから名札して当然じゃん」
 彼は平然と言う。
 私は店内を見回した。店内は皆、さっきディープキスをしていたカップルも、コーヒーカップやグラスを片手にして楽しげに、あの異常な光景を眺めている。私を取り巻く世界が、なにも狂ってしまったのか……わたしは、しかし下着の奥に隠された恥ずかしい部分が、潤いを帯び始めているのを感じた。それは、私の胸をまさぐる彼の手によるものばかりではない。
 スーツの女性は、一人一人に名札を与えていった。
 くねる少女の裸体、押し込められた悲鳴、そしてスーツの女性の、妖艶な笑みが作り出す世界に、私は完全に引き込まれてしまっていた。
 彼が私の髪を撫でる。
 スーツの女性は、少女たちに深々とお辞儀をさせ、そしてこちらに振り返った。
 そして、彼女たちを従えて歩み寄ってくる。
 私が座っているソファの方へ。
 そして、彼女は、私の前に立った。
 綺麗な手が、私の目の前に差し出される。
「立てよ」
 彼が言う。
「な……なんで?」
「言ってたじゃん、バイトしたいってさ」
 確かに、私は旅行の資金を稼ぐためにバイトがしたい、と彼に話していた。しかし……
「……なんの……バイト、なの」
「べつに普通にコーヒーショップの店員じゃね?」
 私は、無意識のうちにスーツの女性の手を握った。
「この人店長さんでさ、おまえがバイトを探してる、って話したら、なんか雇ってくれるって言ってさ。良かったじゃん」
 店長は私をじっと見つめている。立ち上がった私は、その薄いブラウンの瞳に吸い込まれてゆく。
 店長が、にっこりと微笑んだ。
 私はうなづく。
 裸の女の子たちが私を取り巻き、私の服を脱がしてゆく。
 いつの間にか全裸になった私に、首輪がはめられ、ボールギャグをかまされ、手錠がかかる。
 あぁ……あぁ……
 私の蜜壷から、はしたなく流れ出す愛液が、太股を濡らしているのがわかる。
 店長が、私の名前が彫られた名札を持って、微笑みかけている。
 あれが、私の胸に……
 私の乳首に針の先がふれた。
 そして一気に、針が私の乳首に突き刺さっていく。
 声を奪われ、体の自由を奪われた私は、峻烈な感覚に、目を見開き、身体を仰け反らせ、腹の底から絞り出した熱い吐息を、天に向けて、吐き出した。
 涙を流す私の顔に頬を寄せた店長が、耳元で囁く。
 「ようこそ、歓迎するわ」 

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